Kodak vs Technicolor...

September 30, 2011
Color Grading Centralに「Kodak Vision 3 film VS. Canon 7D w/CineStyle ad hoc test」という記事が掲載されました。

Color Grading Central - Kodak Vision 3 film VS. Canon 7D w/CineStyle ad hoc test
http://www.colorgradingcentral.com/archives/kodak-vision-3-film-vs-canon-7d-wcinestyle-ad-hoc-test



そもそも4:2:0のMPEG4がCineStyleだろうとなんだろうと、ダイナミックレンジ的にフィルムに勝てるわけないので比較という意味では結果は分かりきっていますが、このテストの目的はいかにしてKodak社のVision 3フィルムのラチチュードに近づけるかというテストとのこと。掲載されてる静止画ではわかりにくいですが、Vimeoにアップされてる動画がわかりやすいとかと。

実際のプロセスについてはリンク先の記事とVimeoの動画を参考にしてもらうとして、以下余談です。

最近は16mmフィルムの性能も上がっていて、先日仕事で携わったCMも16mm撮影でしたがかなり綺麗でした。そういえばKodakの「Kodak: film No Compromise」でも「16mmフィルムの性能が上がってるから、映画「レスラー」は16mm撮影だった」という話をしてました。「本当に全編16mm?一部は35mmじゃないの?」とIMDB調べたら本当に全編16mm撮影だし...たしかに粒状感はありましたけど、昔の様な16mm特有の粗さは目立ちませんでしたね。言われてみれば16mmだなーという感じ。恐るべし16mm...というかKodak...

Kodak: film No Compromise
http://motion.kodak.com/motion/Products/Customer_Testimonials/index.htm

さらに脱線すると、映画のカラー化はもともとTechnicolor方式が先行していたのですが、その後イーストマン(Kodak)方式にとって変わられます。先日の記事「ブルーバックとグリーンバック」に書いた三層式のカラーフィルムはKodak社が開発したもので、それ以前はカラーといえばTechnicolor方式が主流でした。Technicolor方式はプリズムで分光したR/G/Bの各チャンネルを別個のモノクロフィルムに撮影するというもので、機材も大きく高価で、Kodak社のイーストマン方式に破れてしまうわけですが... その色の再現性、そして現代においての復元性の高さはすばらしいです。Technicolor方式で撮影された映画といえば「オズの魔法使い」と「風と共に去りぬ」が有名です。


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