Dale Grahn Color

Dale Grahn (Dale E. Grahn)は有名なカラータイマーで、「グラディエーター」や「プライベートライアン」、「トイストーリー」、「地獄の黙示録」など数多くのカラータイミングを行ってきました。その伝説的なカラータイマー監修によるフィルム現像シミュレーターがこの「Dale Grahn Color」です。さらにアプリ内からDale Grahnによるチュートリアルムービーも観れちゃいます。そして課題にそってフィルムのカラーグレーディングを学ぶという流れ。すばらしすぎて泣けてきます。

カラータイミングの技術はフィルムの現像工程において秘密にされていて、それぞれのラボやカラータイマーごとの秘伝はなかなか外に漏れることはありませんでした。もちろん再現しようと試みても、現像施設の状態の調整、温度や時間など多くの部分をカラータイマーの経験と勘に頼っていたために、デジタルのようにすぐにコピーして真似できるものではありませんが。

そのような技術がデジタルの登場によって急速に衰退し、残念ながらDale Grahnのようなカラータイマーの技術を目にする機会は今後どんどん減ってしまうでしょうが、おかげで今まで公開されなかった様々なラボ内の技術が一般に公開されつつあります(たとえばTechnicolorがコンシューマ向けの製品を出すなんてすごいことだと思うんですよ)。

このアプリがすごいのは、プロ向けの仕事ツールみたいなこと言わずにカラータイミングの技術をエンターテインメントあるいは教材として見事に仕上げてる点。

ちなみにカラーグレーディングという言葉は、フィルム現像のカラータイミングによる作業を指し、カラーコレクションはテレシネによるビデオの色調補正作業のことをを指します(これも都市伝説めいたこと言う人いますけど)。



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