FUSIONでMacro作成

December 28, 2019
FusionのMacro作成ノートです。FusionでNUKEのGizmoのように、グループ化したノードにカスタムUIを作成してMacro化(Shakeと同じ)することが可能です。個人的な感覚としては、NUKEのGizmoより簡単に作成できると思います。

サンプルのFlow
今回使用するサンプルのFlowは以下のスクリーンショットの通り、シンプルなものです。あくまでサンプル用なので、これ自体なにか使い道があるわけではありません。

Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 001.png
元になる画像を別のマスクによってColor Correctionし、BlurとGlowをかけています。

Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 002.png
Blurの「Blur Size」とGlowの「Glow Size」はエクスプレッションでリンクされています。

Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 003.png

InputとOutputを確認
このFlowでMacro化したい部分をグループ化してInputとOutputを確認します。この例ではすごくシンプルなので一見してわかりやすいですけど、複雑なツリーになっている場合は必ずグループ化してInputとOutputを確認します。

この場合はInputは元の画像のInputとマスクのInputが1つずつ。Outputは1つだけです。

Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 004.png
Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 005.png
グループ化するときにPipeRouterを使用しないとマスクのInputが3つになってしまいます。

Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 006.png
Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 007.png

Input/Outputが想定通りになっていることを確認したらMacro化の作業に入ります。


Macro Editor
FlowからMacro化したいノードを選択して右クリックし、「Macro」->「Create Macro」を実行します。Macro Editorのウィンドウが開きます。Macro EditorにはFlowに含まれるノードのパラメーターがリスト表示されています。

Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 009.png
Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 008.png
Macroの名称を設定します。この名称がノードの名称になります。

Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 010.png
Input/Outputに正しくチェックが入っているか確認します。今回の例ではColor CorrectionノードのInput、マスク用のPipeRouterのInput、GlowのOutputにチェックが入っています。

Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 013.png

Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 014.png
[1]カスタムUIからユーザーがアクセス可能にしたいパラメーターのチェックボックスをオンにします。
[2]各パラメーターを任意の名称に変更したい場合は、Nameを変更します。
[3]デフォルト値を設定します。

今回はColor CorrectionのColor Wheel Tint、BlurノードのLock XYとBlur Size、GlowノードのGlowのチェックボックスを有効にしてあります。

Macro EditorのFileメニューの「Save As」でMacroを保存します。基本的にはMacroの名称と同じにしておくのが良いかと思います。MacroはFusionのデフォルトのMacrosフォルダに保存しておけば自動的にメニューに登録されて使用できるようになります。Macroの拡張子は「.setting」になります。

これでオリジナルのMacroが作成されました。


Macroを使用する
保存したMacroを使用してみます。「Tools」メニューの「Macro」に先ほど保存したMacroが登録されているのでそれを呼び出します。

Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 015.png
Macroには先に有効にしたカスタムUIがある単独のノードです。これをテストして元のFlowと同じ挙動をするか確認します。

Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 016.png
Fusion Studio - [macrodemo.comp _] 017.png
FusionのMacroはNUKEのGizmoと異なり、FusionにMacroがインストールされていなくても動作します。

ただしMacro内で使用しているツール(エフェクト)がインストールされている必要があるので、標準のツール以外のプラグインを使用していたり、実行するFusionのバージョン間の互換性については注意が必要です。

既存のMacroを編集したい場合は、Flowで何も選択しない状態で右クリックし「Edit Macro」を実行して、編集したいMacroを選択するとMacroEditorが開いて編集可能となります。(他にも方法ありますが、これが最短)

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