最近あまりカメラ関連追っかけていなかったのですが、Google Readerの撤収作業をしつつRSSを眺めていたらEOS 5D MarkIIや5D MarkIIIでMagic Lanternの改造ファームウェアを使用しムービーをYUV422 14bit RAW記録するという話が出てて、ちょっと興味本意で色々調べてみました。自分では5D3を買うことはないと思うし、仕事でもDSLRムービーが今さらでてくるということもあまりないと思うのであくまで個人的な興味です。
Magic Lantern Forum - uncompressed YUV422 and 14-bit RAW video recording
http://www.magiclantern.fm/forum/index.php?topic=5247.0
フォーラムの流れを追いかけるのが大変なのですが、技術的な概要がEOSHD.comにまとめられています。まずはここを読んでからフォーラムを読んでみました。
EOSHD.com - 3.5k Canon 5D Mark III raw video with Magic Lantern and latest updates
http://www.eoshd.com/content/10294/3-5k-canon-5d-mark-iii-raw-video-with-magic-lantern-and-latest-updates
Neumann Films - 14bit RAW "Video" on Canon DSLR's with Magic Lantern14bit
http://neumannfilms.net/2013/04/27/14bit-raw-video-on-canon-dslrs-with-magic-lantern/
上記のブログで実際のRAWイメージをダウンロードできます。
ざっとこのRAWムービーの特徴をあげてみると:
要はムービー撮影時のセンサー出力をバースト連射で写真に撮ってるということ。解像度やフレームレートはCFカードへの書き込み速度によって制限されていて、1920x1080/24での書き込みはまだできない(将来的にできるようになるかもしれない)。
出力はスチル用DNGフォーマットでラップされたRAWで、CinemaDNGではないのでAdobe SpeedGradeやBlackmagic DaVinci Resolveなどでは読み込み不可。After EffectsならCameraRAW経由で読み込み可。あくまで画像シーケンスとしてなので、CinemaDNGのようなムービーのメタデータなし。
BlackmagicのPocket Cinema CameraはSDカードで1080/24pのCinemaDNGを記録できるとしていますが、これに関しては上に挙げたEOSHD.comの記事で以下のように説明されています。
EOSHD.comより抄訳:
非圧縮の1920 x 1080 rawは秒間120MBをカード記録し、Blackmagic Pocket Cinema Cameraでは2:1圧縮を用いているので60MB/sとなります。RAWの圧縮オプションは5Dにとっては現実的な選択肢ではありません。Blackmagic Pocket Cinema CameraはDNGファイルの2:1圧縮を行っていますが、それは専用のハードウェアで行なわれます。Magic LanternのDNGモジュールはソフトウェア上で実行されています。それは汎用プロセッサ用のCコードです。2K rawファイルに対して複雑な圧縮を24フレーム/秒で行うということは、パフォーマンス的に非常に懐疑的で、もし無理矢理実行すればカメラ爆発しちゃうんじゃないでしょうか。
爆発は大げさにしてもMagic Lanternはプロセッサに負荷かけすぎて熱でプロセッサ壊したりするのであながち冗談でもありません。
1920x850で24fps記録が現在の最高画質のようですが、先にも述べた通りスチル用のDNGファイルで連射しているだけなのでフレームレート的にも本当に24FPSなのかという怪しさもあります。将来的にEOS 5D MarkII/IIIでRAWムービーが安定して撮れるようになるかはちょっと疑問です。
でも非常に面白い挑戦で、Magic Lanternのフォーラムの流れとかとても面白そうなので時間あるときにゆっくり読んでみたいと思います。
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