ちょっと前にApricornのPCIe Drive Arrayのレポート書いたんですけど、今回はSonnetのTempo SSD Proというもの。Facebookで「買わないよ」などと言っておきながら、勢いで導入してみました。さすがにしばらく使ってみないとわからないので、3週間ばかり使ってみた上でブログの記事化決定。
Sonnet - Tempo SSD Pro
http://www.sonnettech.com/product/tempossdpro.html
コンセプトとしては同じ製品で、PCIeバスにSSDを載せたカードを挿してRAIDを構築するといったものです。このカード自体にRAIDコントローラーは載ってないので、Mac OS XのディスクユーティリティからRAIDを設定します。
パッケージ内にはボードと交換用PCIブラケット(RED Rocketと同時使用のためのSDIケーブルを引き出せる穴の空いたやつ)、あとネジとマニュアルのCDROM。CDROMにはブラケット金具で傷が入っててレーベル面を貫通。CDはラベルの裏にデータ層があるので、即死状態。ただマニュアルはウェブで公開されてるから問題なしとしましょう。この製品は特にドライバも必要ないので、そもそもこのCDが必要なのかも疑問。
手元にあったPlextorのM5Sという256GBのSSDを2台取り付けて、MacProに挿せばハードウェアのインストールは終わり。設定もマシンを起動してからディスクユーティリティでRAID設定すれば終わり。呆気ないほど簡単。
気になる速度ですが、Blackmagic Disk Speed TestではRead 700〜805MB/s、Write 640〜650MB/sくらい。ちなみにAJA System TestではRead880MB/s、Write720MB/sくらいでした。メーカー発表のスペックではPCIe接続の場合、Read 960MB/s、Write 810MB/s、ThunderboldのエンクロージャーでRead 760MB/s、Write 510MB/sとなっているので、割と妥当なところかもしれません。
Mac OS Xのディスクキューティリティでブロックサイズを変えて試してみたんだけど一番小さな「16K」の設定が一番安定してました。ブロックサイズ大きくすると、最大速度は上がるんだけど途中でガクッと速度が低下するという現象があったり、Readの速度が上がらなかったり...
Tempo SSD Proは2台のSSDでこの速度出せるのはかなり優秀というか、SATAの規格が6Gb/sなのはダテではないなという印象。
お薦めかと訊かれると... 本体+256GBのSSD2台で6万程度のものなので、とりあえず安く高速なキャッシュディスクが欲しいという人にはお薦めです。SSDの寿命とか気になっちゃう人には向かないと思います。ゴリゴリ使って壊れたら交換、壊れなくても一定量の書き込みを行ったら交換...と割り切って使える人向けかと。
RAID 0(ストライピング)なので、オリジナルのフッテージデータとかNukeのスクリプトはここに保存せずにサーバーに保存しています。現状容量的にも512GB分しかないので、こちらに保存するのはフッテージの一時コピーとキャッシュやプロキシデータのみ。1日コンポジット作業するとキャッシュデータで50GB〜100GBくらい使ってるようなので多少余裕はあるかなと思いますが。
ちなみに先日ちょっと記事に書いたFusion-ioのioFXなんかだと補償規定が「3年間もしくは保証使用量(2PB)に達したときのいずれか早い方」となっていたりして、420GBのストレージで2PBまでの書き込みを補償するってのはさすが。
ELSA - ioFX
http://www.elsa-jp.co.jp/products/storage/iofx/index.html
(仕様の最後の方に書いてあります)
さらに長期的な運用で、こういった安価なPCI Drive ArrayとかTempo SSD Proが安定して運用できるか気になるところですが、先に導入したPCI Drive Arrayはかなり酷使しているものの、今のところ目立った速度低下などなく順調です。あくまでこれらは製品はボードと汎用のSSDを組み合わせて安価に高速ストレージを構築するものなので、その辺はある程度覚悟して使った方がいいとは思ってるんですけど...
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その後SSDの速度がどう変化したか...
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