BMPCCのセンサー出力

February 22, 2014
Blackmagic Pocket Cinema Camera(BMPCC)はセンサーの出力をそのまま記録するというものです(正確には圧縮がかかっているのですが)。で、このセンサー出力を1920x1080 12bitのCinemaDNGで記録します。以上が前置き...

CinemaDNGをDaVinci Resolveなどに読み込むと1920x1080なんですけど、で実はBMPCCのセンサーの解像度は1952x1112だったりします。もちろんこの分はマージンとして記録を保障された部分ではないんですけど、この部分のセンサー出力はどこにいっちゃったんでしょうか...

結論からいうと先ほどのCinemaDNGにはこの部分が記録されています。メーカーとしては使用を考えていない領域なので、クロップされてしまってますが、実はファイル内にはこの情報もあります。

で、それを読み方法なのですがDaVinci ResolveやAdobeのCameraRawなどでは問答無用で切り捨てられてしまいます。設定を探してみたのですが、この部分を読み込む設定はなさそう...

唯一、私が所有しているアプリケーションでこの領域を読み込んでくれたのがNukeX+J_Ops。J_OpsはまだNuke 8.0に対応していないので、NukeX 7.0v10を使用。

TheFoundry - Nuke
http://www.thefoundry.co.uk/products/nuke-product-family/

Nukepedia - J_Ops
http://www.nukepedia.com/plugins/other/j_ops

DaVinciで出力した画像と比較すると、Nukeでは1952x1112になって画角もその分広くなってます。画角の比較は下の画像を参照(赤い線がDaVinci ResolveやCameraRAWを使用した際の画角です)。

bmpcc_sensoroutput.jpg

わずかな差ですし、先にも書いた通りメーカーは保障しない領域なので過度な期待は禁物ですが、それでも数ピクセルフレーム修正したい時や、若干ですが画角も広くなるので少しでも広角レンズを活かしたいという場合にはいいかもしれません。

探せばこの他にもRawの記録を全部読み込めるソフトありそうな気がするんですけど、CinemaDNGの動画向けに対応しているものは少なそうですね。特にBMPCCのCinemaDNGは圧縮かかってるので読み込めないソフトも多いです(RVやAdobe SpeedGrade CCでも読み込めなかった...)。

[追記]じゃあ2KのBMCC(Blackmagic Cinema Camera)のRAWはどうなんだ?ということで試してみたところ、こちらはスペック通りの2432x1366でした。これから推測するに「BMPCCはHD(1080p)まで」という製品コンセプトを明確にするためにクロップしていると思われます。

[追記]この1952x1112モードのことを勝手に「BMPCC Open Gateモード」と呼び始めました...笑 (関連記事)

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