Blackmagic Pocket Cinema Camera

January 19, 2014
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昨年9月末に到着していたBlackmagic Pocket Cinema Cameraだったんですが、なにせ昨年はほんと忙しくて全然触ってませんでした。ブログに書くにも少し使ってみてからのほうがいいよな...ということでしばらく放置しておりましたが、そろそろ書いてみようと思います。まだ買おうかどうしようかと迷ってる人の参考になれば...なんて思ったんですが、欲しい人はもう皆買っちゃってる気もする。

もう作例などは充分出回ってるので、私の数ヶ月使ってみた感想などをざっと書いておきます。撮影のプロではない私にとっては素人が買った玩具なわけで...その踏まえてさっぴいて読んでもらえればと思いますけど。


本体について
本体の印象は安っぽい印象はないんですが、iPhoneみたいな過剰な高級感はありません。思ったよりもずっしりしてます。色々レビューで書かれているように、本体の塗装など耐久性はイマイチ。私はそれほど持ち出してもいないし手荒に扱ったりはしていませんが、よく見ると銀色の部分塗装がちょっとはげたりしてます。

液晶画面はデジカメみたいな保護ガラスがなくて本当に液晶むき出し。ラップトップの画面みたいに指でさわると凹む感じです。ですので名前はポケットとついてますがポケットに直接入れたら駄目でしょうね。ちなみに液晶はお世辞にも見やすいとは言えず昼の屋外だとオートフォーカスないと結構つらいです。ピーキングによるフォーカスアシスト機能はあるんですが、そもそもその表示が見えない...

ボタン類ははっきり言って押しにくいです。昔GH2のボタンが端に偏ってて押しづらいとぼやいていたこともありましたが、BMPCCに比べればGH2のボタンはもう滑らか。


...で、ケージを買う
本体が小さいのはいいのですが、小さすぎて三脚に直接載せるとちょっと扱いずらいです。場合によってはレンズが干渉するかもしれません。前述のボディの耐久性のこともあって、ViewFactorケージを買ってみました。

View Factor - Contineo BMPC Cage
http://www.viewfactor.net/products/blackmagic/contineo-bmpc-cage.html

1万くらいで安かったんですが、しっかりした作りです。オプションで液晶側にポリカーボネートの蓋ができます(脱着は不便になりますが)。グリップとコールドシューなどと諸々購入。ウッドグリップは付けてみたら思ったより格好良くなくてラバーグリップに変えました。ロッドサポートとか色々装備すれば結構なお値段になっちゃいますが、私の場合はそういうの要らないんで買ってません。

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ケージに入れてクリップオンモニター載せてPLマウントレンズつけるともう別のカメラみたいです(重量的にも)。

このケージ買ったときにはまだ未発売だったので比較の対象にはならなかったんですが、今ならTILTAのBMPCCリグもよさげ(実物見てないのでなんとも言えませんが...)です。特にHDMIのケーブルサポートはかなり羨ましい。BMPCCはmicro-HDMIなのでかなり頼りない感じなんです。

TILTA - TILTA FOR BMPCC RIG
http://www.tilta.com/product/d-46-_en.html


HDMI出力
本体にmicro-HDMI端子がついていてモニターやEVFを接続できるんですが、この出力がなんと10bitでした。なんか上位機種との差別化とかで8bitになってるんじゃないかなーと思ってたので、良い意味で裏切られました。同社のHyperdeck Shuttleを繋いで比較してみたのですが、本体で収録するProRes422と全く同じダイナミックレンジで記録されています。発表時にHD-SDI出力がなくてちょっとがっかりしたんですが、これなら外部記録も可能なので大容量のSSDを使った記録も可能になります。


その他
これも散々言われてることなんですが、とにかくバッテリー消費が激しいです。GH2に改造ファームをインストールしたときもすごかったですけど、それ以上。大量のデータをSDカードに転送してるので、そりゃそうだよなと納得してますが...最初は心配になりました。バッテリーはニコンのEN-EL20が使えます。ニコンの方が若干容量が大きいようなので、私はニコンのEN-EL20を追加で買ってバッテリ3個使ってますが、なんかこれじゃ足りない気がしてます。

バッテリーチャージはBMPCC本体でも可能ですが、チャージで本体が塞がってしまうのは不便なのでEN-EL20を追加購入した際に一緒にニコンの純正チャージャーMH-27を購入しました。

センサーサイズの関係で実質焦点距離が3倍になっちゃうんで自ずと広角レンズを使う事になるのですが、パナソニックなどのオートフォーカスレンズを使用した際はファームウェアで行なわれてる画像補正がかからなくなるので注意。特に広角系だとディストーションやフリンジ、収差などがレンズの光学性能を思いっきり反映しちゃうので、パナソニックのカメラでは綺麗だったのに、BMPCCに付けたら画質が落ちたってことになったりします。


これは買いなのか?!
この価格でProRes422(HQ)、RAWムービーが記録できるってことで「これで10万円は安いよね!」と言ってみたところで、15万出せばEOS 6Dが買えるので、この価格観はなんともいえませんね。EOSも最近はMagic LanternでRAWムービー収録できるし、BMPCCはスチルはとれないし、センサーサイズもSuper16、収録は1080p上限なので。

個人的にはこのダイナミックレンジでムービーが撮れるのは楽しいですが、過度な期待は禁物です。ProRes限定でもいいから60p撮れればなぁと思うんですけど、まぁ10万ですからね...

書いてみたら想像以上につまらないレビューになってしまった。BMPCCのCinamaDNGのワークフローなんかについては別エントリーで書こうと思います。



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