FilmConvert

October 6, 2012
最近、フィルムルックをかなり忠実に再現する必要に迫られまして、実写のフィルムグレイン素材なども検討してみたのですが、「FilmConvert」というソフトに行き着きました。

FilmConvet
http://www.filmconvert.com/

Pro版とStandard版があって、Pro版ではREDのコンバートが含まれています。さらにそれぞれにスタンドアロン版とプラグイン版があり、プラグイン版ではProがAfter Effects用、StandardがFCPX用となっています。Pro版は$249。思ったより高い...

このソフト、カラーグレーディングソフトではなくて、あくまで「既存のフィルムのルックを再現する」ことに徹したソフトです。Davinci ResolveやMagic Bullet Looksみたいことができるわけではありません。ユーザーで設定できるのはグレインの種類(実際のフィルムのリストから選択)とグレインの強度の設定、あとは色温度、露出、3ホイールの簡単なカラコレくらいです。カラーホイールはスタンドアロン版のみ。

この潔いまでの一点突破ツールなのですが、そのルックは目を見張るものがあります。

FilmConvert - Digital vs Film comparison from Film Convert on Vimeo.


使ってみた感想としてはREDのフッテージであれば一見フィルムと見間違うくらいになってくれます。スタンドアロン版ではEPICのフッテージ読み込みでクラッシュしたり4Kなどの高解像度フッテージの表示が見にくかったので、今回はAfter Effectsのプラグイン版を購入しました。スタンドアロン版の表示はGPUに依存するようですので、私がMac miniで試してしまったのが原因かもしれません。AfterEffectsであればフッテージのインポート自体はAfterEffectsが対応していればARRI RAWだろうがR3Dだろうがなんでもいけます。

GH2のフッテージでも試してみたましたが条件があえばかなりいい感じで仕上がります。ただしセンサーノイズのひどいショットや白が飽和しているようなショットでは、いかにも「DSLRのムービーをフィルム調にしました」って感じでバレバレになるので、ISOを低めにしてアンダー気味で撮っておいたほうが良さそう。

実際に機能数や守備範囲で考えると前述のMagic Bullet Looksの方が遥かにコストパフォーマンスが高いと思われますし、とりあえず「フィルムっぽく」ならNukeやAfter Effectsのグレインでも充分なんで、ある程度使う人を選んじゃうツールです。

個人的にはこのツールはAfter EffectsやFCPXのプラグインよりも、OFXにしてNukeやScratchに対応した方がいいんじゃないかと思いますけど...


この他にもDark Energyというプラグインもあって、こちらはDSLRのデジタルアーティファクトを修正してフィルムルックに仕上げることに特化しているようです。映画「Act of Valor」でも使用された実績あり。Dark Energy自体はスタンドアロン版もあるようですが、そちらはセールスに連絡するか販売代理店からの購入になるようです。

AfterEffectsのプラグイン版では解像度に制限があるようです。After Effects版はオンラインで購入可能でお値段$399から。残念ながらWindows 64bitのみでしたので今回は除外。

Cinnafilm - Dark Energy Professional
http://www.cinnafilm.com/dark-energy-professional.html

Dark Energy for Adobe After Effects
http://darkenergyforadobe.com/



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