なんかFinal Cut Pro Xの返金騒動とか起きているみたいですが...
専門のエディタでない人(私とかね)がFCPXを見て「未来だ」「編集の新しい形だ」とか言うのは楽しいけど、今現在それで糧を得ている人からしてみればたしかに腹立たしいだろうと思います。彼らが蓄積した技術や経験がメーカーの一存で「古物扱い」されながら、今日もその技術を酷使して作業しているんです。それらなくして編集作業を今(未来じゃなくてね)行なうことはできません。
FCP7を使えばいいじゃんと言うのは簡単ですけど、今現在の仕事においてエディタは技術やノウハウを蓄積して、それが未来の武器になるんじゃないでしょうか(もちろん「編集の腕はソフトになんか依存しないのだ」と上から目線でいうのは簡単ですが!)。古いソフトを使い続ければいい...なんていうのはやっぱ外野(私とかね)の意見だよなーと思いました。
思えばコンポジッタも昔ShakeでAppleに同じようなことをされました。そのときはAppleが自信満々に出してきたMotionが使えな...いや、あまりにも未来を見据えていたために誰も移行できませんでした。そこに手を差し伸べたのがNukeでした。そのころのNukeはShakeからの移行組のためにあらゆる手を尽くしていたように思います。トランジションガイドはもちろん、ショートカットの共通化とかShakeにあった機能をうまく取り入れていったり...結局フィールドとサウンド関係は後手後手でしたけど。それが今のNukeの成功に繋がってると思います。
私は立ち会い編集といった作業は年数回しかしませんし、FCPの使用は自前で行なうオフラインとかビデオコンテ程度です。FCPXは私のようなぬるーいユーザーには非常に面白いものに映りますが、やっぱり私にはiMovie Proくらいのものがよかったんだな、と思います。
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