最近ちょっと話題になっていた「Rarevision 5DtoRGB」というMac用のソフトを使用してみました。簡単に言ってしまえばCanon EOS 5Dなどで撮影したMPEGファイルをDPXまたはQuickTime ProResに変換してくれるというものです。現在このソフトはMac版が無償公開されています。将来的にはLinuxやWindowsへの移植も行ないたいとのこと。
ちょっと使ってみたら結構よさそうでしたので以下に簡単に紹介...
似たようなソフトウェアは有償無償でいくつかあるのですが、このソフトはホストアプリケーションを使用せず(プラグインなどの形式ではないということ)、ProResのみでなくDPXにも変換してくれるというのでちょっと目にとまりました。これまでDPXへの変換は一度ProRes4444にした上でColorを用いてDPXに変換していましたが、5DtoRGBのようなフリーのユーティリティで変換できるのであれば、それだけでもかなり便利かと思います。
5DtoRGBは従来の変換ソフトウェアよりもYCbCr->RGBの変換が高画質であることを売りとしています。5DtoRGBではQuickTimeによるデコードを使用せずに内部で10bitの処理を行ない画質を維持するとのこと。また同時にガンマの補正やタイムコードの修正も可能です。もちろんDPXにもSMPTE timecodeを付加してくれます。QuickTimeのGamma Flagを付加することができます。QuickTimeのGamma Flagを無視するようなアプリケーションで使用するために「Bake Gamma Correction」のオプションもあり。
ターゲットはEOS5Dのムービーですが、一部制限もあるもののEOS 5DのみでなくPanasonicなどのAVCHDムービーにも対応。
アプリケーションはアイコンをダブルクリックして起動すればGUIモードで起動しますが、コマンドラインからの操作も可能です。バッチ処理などしたい場合にはShellスクリプトなどで制御可能。
テスト用のMac miniで、90秒のムービーを1分弱でDPXに変換。合計15ファイル、総尺で8分程度のムービーを変換してみましたが、途中でクラッシュしたりすることもなく書き出したDPXもAE、Nuke、Colorで問題なく読み込み可能。変換速度はProResであればかなり高速です。DPXがProResほど高速ではないものの充分実用範囲内。
そんなに使い込んでないので、あまり画質面でのメリットが実感できていませんが、Rarvisionのサイトの比較画像を見る限り画質面でも向上が期待できそう。
Rarevision 5DtoRGB
5DtoRGB / Canon E1 FCP Plugin comparison (5DtoRGBとCanonE1 FCPプラグインの比較画像)
[関連記事]
5DtoRGB Batch
GH2で176Mbit GOP1で撮影したムービー
HyperDeck ShuttleとGH2
Tweak Software RV