昨年末、無償になったイメージシーケンスビュワー「JefeCheck 1.5.1」を試してみました。Mac, Windows, Linuxに対応。ユーザー登録をするだけで商用でも無償で使用可能。寄付の受付中とのことなので、気に入った人は寄付をすると良いと思います。
JefeCheck
http://jefecheck.jefecorp.com/index.html
私は昨年3月にRVを導入し、JefeCheck自体を知ったのはその後だったので、有償版の時に試用すらしていませんでした。昨年末にフリーになったというニュースを見たのですが、忙しかったのでその時もスルー。ただここへ来て撮影立ち会いや出先でのチェック用にDPXやOpenEXRのビューワーが必要になり初めて使ってみたという経緯です。RV導入以前に知っていたとしても、RV押退けてこれを導入したかは微妙ですが、使ってみるとフリーとしては勿体ないくらいの高機能でした。
ざっと見た上での特徴は...
- DPX(タイムコード 16bit対応)
- OpenEXR(16bit half /マルチチャンネル対応)
- LUTのインポート/エクスポート対応
- 4スロット、4ストリームで簡易編集
- プライマリカラコレ、簡易コンポジット
- アナグリフS3D対応
- ネットワークプレビュー、コラボレーション対応
といった感じでかなり強力なビューワーなのですが、弱点としては...
- QuickTime非対応
- R3D非対応
- ARRI Raw非対応
- 音声非対応
- SDI出力非対応
...と、結構決定的なところが抜けてたりします。
少し使ってみた感想としてはJefeCheckは速度的にはかなりいい感じです。RVの方が読み込み時のストレスは少ない(読み込む速度はそれほど変わらないかもしれませんが、GUI側の反応がそう感じさせている感じ)です。16bitのDPXを16bitで読み込むと画像が崩れたりクラッシュしてしまったりしました。DPXのバージョン(DPX2.0のファイルを読み込んだ)のせいかもしれません。
JefCheckもRV同様にNukeとのインテグレーション機能が提供されています。Frank Rueter氏がNukepediaでPythonスクリプトが配布されています。
Nukepedia - JefCheck
http://www.nukepedia.com/python/flipbook/jefecheck/
個人的にはイメージビューワーはRVで決まりかと思ってるんですけど、例えば外出時に持って出ようとした時にちょっと困る(つまりライセンスサーバー圏外で使いたい)。
同じくフリーのビューワーとしておなじみのDJVも長らく更新されていなかったのですが、昨年久々の正式アップデートがされました。JefeCheckと比較すると機能的にはややもの足りないですが、こちらはQuickTimeにも対応。MotifベースのGUIもQtベースのものと比較するとちょっと懐かしい感じ。
DJV Imaging
http://djv.sourceforge.net/
見た目はともかくDJVはGPU非対応のためのレンスポンスの悪さ、大きなファイル読み込み時の安定性、ヒストグラム表示した場合の速度がちょっと厳しく最近はあまり使ってませんでした。昨年のアップデートはMac版も64bit対応になって改善されているかもしれませんが。
ビューワーとしては高価な部類に入るRVと比較するのもなんですが、JefeCheckは機能的にRVには及ばないものの、無償で使えてこの機能・性能はすばらしいと思います。ワークフローがTIFFやDPX、OpenEXRで限定されている状況なら間違いなく標準ビューワーの候補として推薦できます。プロジェクトで正式採用の際には寄付をお忘れなく!! 私もRVが使えない状況ではお世話になりそうなのと、今回ブログのネタにするにあたって些少ながら寄付しました。それまで200ドルくらいで売られてたものをフリーで配布しその後アップデートされていないのでちょっと今後が心配ですが、是非とも今後に繋げて欲しいものです。個人的には有償での機能追加でも構わないのでQuickTime、R3D、SDI出力に対応すると結構化けると思うんですけど。
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