Lattice

August 12, 2014
latticeicon.png
以前、Facebook「Autodesk Flame Smoke User Group JAPAN」で、MotionWorks.JPの石河さんが紹介されていた「Lattice」を購入&使い始めてみました。使い始めて2週間ほどで、詳細なマニュアルもないので、あまり突っ込んだこと書けませんけど。

LatticeはMac OS X用のメジャーな種類のLUTのコンバートや統合、トランスフォームなどが行なえるLUTユーティリティです。対応OSのバージョンが10.9以上で10.8では起動できません(確認済)。

Lattice - Greg Cotten
https://itunes.apple.com/jp/app/lattice/id892133569?mt=12

このアプケーションの位置づけ
LUTのフォーマット変換、カラースペース、色温度やガンマカーブの変換、スケーリング、エクステッドレンジの有効・無効切り替え、LUTフィアルの統合などができます。カラーコレクションなどを行なうものではなく、あくまでLUTファイルのコンバートや変換作業を行なうものです。またLUTの中身を比較して同じLUTかどうかを検証してくれる機能もあります。

ただしPhotoshopやLightroom、NukeなどでCMS test chartを出力し、その結果をLUTにしてくれるという機能がありますので、自分のオリジナルのLUTを色んなフォーマットで書き出したいという場合にも使えます。

基本機能の説明ムービー


CMS test chartを使ってLightroomから書き出し


普段LUTを業務で使っている人にはわかると思いますが、同じLUTのフォーマットを使っていても3D LUTとなると、中のデータ保存形式は様々で互換性のトラブルが時折起こるのですが、こういうアプリケーションがあると安心です。


Davinci ResolveのLUTをSmokeで使う
試しにDavinci Resolve 11のLUT(cube)をSmokeで使ってみます。これでSmokeで直接BMPCCのLogをRec709に変換できるようにしてみます(わざわざやるので当たり前ですけど、Davinci ResolveのcubeはそのままじゃSmokeで使用できてません)。

まずはDavinci ResolveのLUTファイルを

/Library/Application Support/Blackmagic Design/DaVinci Resolve/LUT

...から他の場所にコピーします(念のため)。ここには様々なLUTがあるのですが、今回は「Blackmagic Cinema Camera Film to Rec709 v2」だけ使います。このLUTをLatticeで開くとウィンドウが開いてプレビューが表示されます。

デフォルトで表示されるプレビューの画像はPreferenceで変更可能です。DPXやOpenEXRも大丈夫なのですが、OpenEXRだと開く際にクラッシュしてしまうことが度々ありました。ムービーでプレビューしたい場合や一度限りのプレビューには、ウィンドウ右上の「Preview」ボタンをクリックしてファイルを指定します。

latticePreview.png
ファイルメニューの「Save LUT As...」で、LUTのフォーマットを指定して保存します。今回は同じcubeなのですが「Iridas」のcube形式にします(Smokeの場合はこの他にも純正の3dlなど使えますが、Smoke2015でcube形式に対応したのでそのテストも兼ねて...)。

latticeLutExport.png

保存したcubeをSmokeで読み込んだ結果がこれ...

latticeLutImportSmoke.png
ちゃんと読み込めている模様です(これでDavinciのLUTは全部頂きだ...!)。



ところでv1とv2の違いって...
先ほどの「Blackmagic Cinema Camera Film to Rec709 v2」ってLUTはファイル名からもわかる通りv2なんです。以前のバージョンとの違いを比較してみるためにLatticeでそれぞれ開いてCurveを表示してみました。

Blackmagic Cinema Camera Film to Rec709(v1)
latticeCurveView_2.png
Blackmagic Cinema Camera Film to Rec709 v2
latticeCurveView_1.png

Cube表示もあるんですけど、それは前述のムービーでも出てるので割愛。見た目派手でいいんですけど、個人的にはグラフ表示の方が圧倒的に使用頻度多そうな感じ...



Windowsでは...
Windowsで同クラスのLUTコンバーターとして「Briz LUT Converter」があります。試してないのでなんとも言えませんが、Mac版も開発中みたいです。

Briz LUT Converter - BRIZ Software
http://www.brizsoft.com/lut-converter/


余談ですが、カラーリストさんにはオンライン前のプリグレーディングは画像に焼き込んでしまわないでオリジナル+LUTで頂けますよう、何卒お願いいたします。




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