NAB 2012の最大(?)のニュース、「Blackmagic Cinema Camera 」...もうそのまんまの名前。型番とか独自の製品名とかナシ。HyperDeck Shuttleのときも驚いたけど、今度はカメラ、しかもシネマカメラ。昔、「もうこうなったらBMDがカメラ出さねーかなー...」と冗談を言ってる人がいたんだけど、まさか本当に出すとは...個人的にはAppleがiPod出したときくらいの衝撃なんですけど。
既に公式サイトに詳しい情報載ってますので詳しいことはそちらを参照してください。
Blackmagic Cinema Camera
http://www.blackmagic-design.com/products/blackmagiccinemacamera/
以下Blackmagic DesignのサイトよりTech Spec抜粋:
(http://www.blackmagic-design.com/products/blackmagiccinemacamera/techspecs/)
- Sensor Resolution: 2592 x 2192
- Raw Resolution 12-bit RAW files recorded at 2432 x 1366
- Shooting Resolutions: 2.5K RAW at 2432 x 1366.
- ProRes and DNxHD at 1920 x 1080
- Frame Rates: 23.98p, 24p, 25p, 29.97p, 30p
- Sensor Size: 16.64 mm x 14.04 mm
- Sensor Size - Active: 15.6 mm x 8.8 mm
- Dynamic Range: 13 stops
- Focus: Focus button turns on peaking
- Iris Control: Iris button automatically adjusts the lens iris settings so no pixel is clipped
- Lens Mount: EF and ZE mount compatible with electronic iris control
- Screen Dimensions: 5" and 800 x 480 resolution
- Screen Type: Integrated LCD capacitive touchscreen
- Metadata Support: Automatic camera data and user data such as shot number, filenames and keywords
- Controls: Onscreen touch menus and physical buttons for recording and transport control
- Microphone: Integrated mono microphone
- Speaker: Integrated mono speaker
- Mounting Options: 3 x 1/4" thread mounting points on top of camera.
- 1 x 1/4" thread tripod mount with locator pin.
- Power: Integrated Lithium-ion Polymer rechargeable battery.
- 12V-30V DC port for external battery power or use included 12V AC adapter.
- Battery Life: Approximately 90 minutes
- Battery Charge Time Approximately 2 hours when not in use.
- Camera Dimensions: 166.2mm by 113.51mm x 126.49mm excluding detachable sunshade and turret dust cap
- Camera Weight: 1.7 kg / 3.75 lb
コンポジッタ兼エディタの私書くことなので、興味本位ながらざっと感想など...
まず目につくのがRAW、しかもCinemaDNG。生きてたのかCinemaDNGって感じですが、とにかくAdobeのCinemaDNGが日の目を見ました(追記:すみません、去年発表され話題になったA-CamもCinemaDNGでした...)。これで12bit 2432x1366 13stops、他に1920x1080ながらProResとDNxHD対応。フレームレートは最大30pまでで、シネマカメラなのでインターレースはありません。ハイスピードとか4Kへの対応ないながらもそこを削って価格を下げると、一点突破型製品です。
ボタン類は少なくアクセサリーシューなどのアタッチメントもほとんどなし。ストラップは付けられるみたいですが...。ほとんどの操作はタッチパネルで、ボタンらしきものは背面のHyperDeck Shuttle同様のデッキコントロールボタン。正面にRECボタンっぽいものがあるけど、ただのインジケーターランプかもしれない...でも光ってる写真ないから、たぶんボタン。
SSDは市販のものを使う方式。バッテリ駆動時間短いんだけど、SSDへの記録時間とか考えるとこんなものかな。ただしバッテリは交換できないので、出先に予備バッテリを持っていくという使い方は不可能。運動会とか遠足とかには不向き(笑)。電源ケーブル繋いで給電しながら使うことは可能。
あとレンズマウントがEFかZE。いずれにせよEOS系のマウント。センサーサイズはS16に近くてマイクロフォーサーズより小さい。それにEFマウント。製品写真ではZF 50mmついてるけど、これだと完全に望遠レンズ。はっきり言って広角系に苦労すること間違いなし。マイクロフォーサーズだって出た当初は広角系苦労しましたもん...単焦点で明るい広角なんてほとんどなかったし。12mmとかじゃ準広角くらいにしかなりませんて。ワイドコンバージョンレンズ必須になりそう。カメラがマイクロフォーサーズマウントだったらもっと選択肢もあって良かったと思うんですけど、いわゆるマイクロフォーサーズ規格に加盟するのが嫌だったんですかね...ちょっと謎。
これだけでも桁ひとつ間違ってるんじゃないの?って価格なのに、Thunderbolt経由でMacでUltra Scope使えちゃったり、DaVinci Resolveのライセンスついて来ちゃったりもうてんこ盛り状態。なんか色々盛りすぎてて、この製品に何が足りてないのかよくわかんなくなるくらいです。
ちょっと冷静に見てみると(見れないけど)このカメラ、DaVinci Resolveに相応しい廉価なシネマカメラってこういうことだろうというBlackmagic Designなりの回答だったと思えます。はっきり言ってコンペティタなんていないじゃないですか...、少なくとも開発時にはそんなものは意識してなかったはず。iPadにでかいセンサーとレンズ付けて、あとは自社のSSDレコーダーとか既存技術組み込んじゃえばいいんじゃん?って発想ですよね。
推測なんですが、やっぱDSLRムービーなどってハイアマチュアな人が多かったりして、そういう人達は映画やCMで使われるようなフィルムやデジタルシネマカメラの画像を見たことがない。つまりシネマフォーマットの敷居を下げて体験してもらいDavinci Resolveや自分たちの非圧縮系の機器の実力を知ってもらおうというBMDのアプローチなのかなと思ったりした。多分シネマカメラの撮って出しの映像は、それがEPICだろうがAlexaだろうがDSLRムービーばかり見てると「ねむい」「シャープじゃない」って印象を持つと思います。実際には「解像度」と「解像感」は違うんだよって話になるんだけど、それ以前にこのカメラ実機見て「あれがない、これがない」と粗探しするようなら、買わない方が吉かと。
AJAもNAB2012でかなり魅力的な製品出してきてるのですが、AJAだと途端に「じゃデモ申し込んで、見積もりもらって稟議書いて...おっと納期も確認しとかないとな...」って連想しちゃうんだけど、BMD製品は「なにこれ、買うー(もちろん個人的に)!とりあえず予約まだぁ?」となちゃう、このカジュアルさというかお祭り騒ぎがBMDの攻め方なんですかね...
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