Apollo 18

April 26, 2012
久しぶりに映画の話題。随分前にAmazon.comから届いていたものの放置していたBlu-ray「Apollo 18」観ました。

歴史上17号でアプロ計画は終了。国民の関心が薄れ月への有人飛行をするための予算が不足というのが理由のようですが、この映画ではその17号の後に、歴史上抹消されたDODによる18号が存在していたという設定(歴史上はアポロは当初20号まで計画されていたものの上記理由によりキャンセル、サターンVロケットはその後、宇宙ステーション「スカイラブ」の船体に転用されます)。

なぜアポロ18号は公に知らされず存在を抹消されてまったのか、乗組員はどうなったのか、なぜ当時の宇宙開発競争でロシア(ソヴィエト)が有人飛行を行わなかったのは?...という内容の日本未公開作品。

以前日本公開はもうないだろうと思って紹介した「Troll Hunter」が公開から1年以上遅れて日本公開(遅すぎ...)ということもありましたので、まだ余談は許しませんが。

以下壮絶にネタバレしてるのでご注意。

モキュメンタリームービー(ドキュメンタリーフィルム風の映画)で、全編当時撮影された8mmフィルムのようになっています。のっけからネタバレしますが、結局18号の飛行士は結局全員月面または月周回軌道に置き去りにされたはずなのに、誰がこのフィルムを回収したのか...って、プロット上の疑問はあります。ひょっとすると、今世紀に有人の月面飛行や無人月面探査が再開されて回収されたってこと?!

8mm風のフレームが付いていてアスペクトも4:3。映像は断片的であったりブレていたり、ノイズや感光エフェクトが入ったりしますが、映像自体は明らかに8mmより高画質(笑)。

月面の極地のクレーター探査に出かけると、飛行士たちを待ち受けていたのは放棄されたロシアのLEMとその飛行士たちの死体。真っ暗なクレーターの中にには未知の生物が存在(カニみたいなの)がいて、船長がそれに感染。よく見ると月面の石ころみたいなのに擬態してゾロゾロいました...!ちなみにCSMとはアンテナの故障で通信不能、ヒューストンも沈黙状態。

ロシア版LEMは無骨で不気味なデザインで格好いいです。アメリカがLEMの軽量化に腐心したのに対し、ロシアのは見るからに重そうな鉄の固まり。さすが24基のクラスタロケット作る国は違うねって感じ。

ヒューストンはあらゆる危険を排除するために、LEMの飛行士たちの地球帰還を拒否。船長は感染して瀕死、「俺を置いていけ...」って言ってましたが、なぜか最後ハンマー持って襲撃してきます。これってハリガネ虫みたいに宿主の行動や感情を支配しちゃったってことなんですかね?

モキュメンタリーゆえ、細かい説明、あれはなに?とかなんで?という観客の疑問に一切答えず、不鮮明な映像と断片的な情報だけで話が進んでいきます。想像力のない人とか台詞の行間読めない人、そしてアポロ計画とかの知識が全くない人には楽しめないかもしれません。最低でも『アポロ13』、可能であれば『From The Earth To The Moon』を予め観ておくことをお勧めします。

私はモキュメンタリがどうも好きみたいなので楽しめましたが、結構人を選ぶかもしれません。


↓(追記)日本語版出てました。日本でも公開されたみたいですね...。Amazonのレビューは大体その通りだと思います。

↓日本未公開なのでBlu-rayはUS版です。日本語字幕ないので注意。



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