つらつらと続けるつもりでもなかったんですけど、After Effects CS5.5の新機能検証第二回。今回はカメラレンズブラーです。従来のブラー(レンズ)と比較して高品質とのことだそうですので、Lenscareと比較してみました。正直に言うと今までのレンズブラーは品質的に問題あって使ってませんでした。ほぼLenscareだけでした(Nukeでも使えるというのが大きいんですけど)
まずはオリジナル画像から。単に机の上のヘッドフォンアンプを撮っただけです。この画像をそれぞれでボカしてみようと思います。撮影はPanasonicのGF1+Zeiss Sonnar 50mm F1.5です。作業はRAWを直接読み込みsRGB/32bit floatで行ないました。
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(Original: Panasonic GF1 + Zeiss Sonnar 50mm F1.5 RAW 16bit)
で、まずはLenscareから。Out Of Focusを使用してぼかしてます。
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(After Effects CS5 + Lenscare Out Of Focus)
次がAfter Effectsの新しいカメラレンズブラー。見た目合わせでLenscareに極力Lenscareに近づけました。をを、なかなかいい感じでは?
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(After Effects CS5.5 + New Camera Lens Blur)
ただ、ハイライトのGainをあげていくと、結構白飛びしやすいようです。リニアオプションがあるのですが、今回は有効にしてます。上のLenscareでのLED部分のボケに近づけようとしてみたのですが、彩度は思いっきりあげてもやっぱり保持できないようで、LEDのオレンジの部分などは完全に白っぽくなってしまいます。
印象としては細かく設定を詰めていこうとするとCS5.5のカメラレンズブラーだと厳しい感じはします。結構振り切った設定値を試してみても変化に乏しいものもありますし、逆にすごく激しい反応しちゃうパラメータもありました。あと全体的に処理が重い。総合的に見て、もし既にLenscareを持っているまたは導入できるならLenscareを使う方がよさそうですが、もしなければ充分代用になりそうな感じです。アルゴリズム云々というよりパラメータ不足みたいな気もしますが。
3Dカメラのブラーにもそのまま使えるのが今回の売りなんですが、試したみたら設定値を変えてたらいきなり画が真っ黒になったりしたので、こちらはもう少しちゃんと検証した方がよさそう。
そして...最後に、今回両プラグインのテストの参考にした実際のZeissでの開放ボケ。なんというか、超えられない壁がある感じ。
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