PCの省電力化

March 16, 2011
都内の停電とは関係なく、半年ほど前から社内の省電力化を推進してきました。もともとはビルへの電気供給が限られているので、その範囲で効率的に電気を使用し限られた電力内で電気代の節約を行なうという動機でしたが、最近の都内の電力事情もあって色々参考になることもあるかと思うので書き出しておきます。

まず行なったのが不要な機器の除去。当たり前のように思われるかもしれませんが、結構不要な機器があります。一番多いのがネットワークのハブ。一時的にポート数を稼ぐために設置したものがそのまま放置されていたりするというものです。特にラック裏や床下配線スペースなども確認し、不要なハブをすべて除去します。

その後、いくつかのサーバー類を仮想化しました。DBサーバーなど社内で使用しているサーバーでOSに依存していたりファイルシステムを個別に使用したいものがありますが、これらのリソース使用状況を確認し仮想化できるものは仮想化してハードウェアの数を減らし、消費電力のオーバーヘッドを減らしました。大きな電力ロスのあるUPSの台数も減らせます。

サーバーなどのスペックも見直し。新しい製品ほど省エネを謳っていますが、それらはエネルギー効率であって実質の消費電力ではありません。むしろ1台あたりの消費電力は大きくなっています。今まで16台必要だった処理が4台で済みますといった感じの効率化です。勿論今まで16台フル稼働だったサーバーであれば、それらを4台にすることで省電力化できると思いますが、現状サーバーに余力があるなら古いサーバーのままの方が消費電力は少なく、もし新しいサーバーを入れるなら1〜2クラススペックを落として消費電力をさげられます。

次に3.5インチハードディスクの撤廃。CGやビデオ編集の方はスペックとして2.5インチを敬遠するかもしれませんが、実は3.5インチ7200RPMのHDDの消費電力は稼働時でも2.5インチHDDの5倍程で、3.5インチHDD1台のスペースに2〜4台を搭載できます。

3.5inch: WD Caviar Black 1.5 TB SATA Hard Drives ( WD1502FAEX)

2.5inch: Scorpio Black 750 GB SATA Hard Drives ( WD7500BPKT)

サーバー類の3.5インチHDDのRIADを2.5インチHDDに交換し、HDDの数を倍にしました。システム全体で書き込みはシーケンシャルが少し遅くなりましたが、読み込みの速度はやや速くなりました。

これらはサーバーでなくワークステーションでも行なっています。ワークステーションではWestern Digitalの600GB-10000RPMのHDDあるいはIntelのSSDに交換しています。10000RPMでも2.5インチでは消費電力は3.5インチ7200RPMの1/2程度です。勿論速度は3.5インチ7200RPMより全然速いです。ワークステーションのRAIDはIntelのSSDをRAID0で使用。外部にSASで接続していたエンクロージャーも撤廃したので、かなりの電力が削減。

WD VelociRaptor 600 GB SATA Hard Drives ( WD6000HLHX)

Intel® Solid-State Drive 510 Series

この状態で半年以上運用してみましたが、昨年同時期と比較して電気代ベースでざっと30%以上削減できています。特に秋口などは排気熱が抑えれたせいか空調費用が大幅に削減され前年同月比50%になった月も。うちなどの小さな事務所でも効果があがっているので、サーバーやワークステーションの多いスタジオではもっと効果が見込めるかもしれません。以上参考になれば。



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