Google AppsをVFXのプロジェクト管理に使ってみた - その後の話

January 24, 2016
およそ1年前にGoogle AppsをVFXのプロジェクトで使うというのを始めて1年弱。もう最近ではGoogle Appsなしではやってられないくらいにどっぷりです。

Google Driveで外注スタッフと共有するデータ量は8TBを超えてました。最近ちょっと整理して6TBくらい。

基本的には同期で使用しているのですが、この同期に慣れちゃうとFTPとか面倒で使いたくなくなります。

FTPの場合「アップロードしましたよ」と連絡をもらってから、FTPサーバーからダウンロードの待ち時間。その後圧縮されてたりすると解凍して、自分たちのファイルサーバーにコピー...となるのですが、Google Driveでプロジェクトのフォルダ構成ごと同期してると、アップしましたよという連絡をもらった時点で大抵の場合はサーバーにも反映されてるのですぐに作業に入れるのがいいです。

チェックムービーレンダリングしましたって電話もらって電話切らずにそのままムービー見ながらチェックバックできるという感覚。

ビジネスアカウントだと同期も比較的速いので10カット程度のチェックムービーならレンダリングしながら同期終わってます。

ただGoogle Driveも個人アカウント(Gmailのフリーアカウント)だとあまり速度でない感じなので無料アカウントの人を混ぜるときには注意。

あと、同期開始までのファイルスキャンのシーケンスが遅いので、頻繁に再起動するような作業マシンなんかで同期してると同期終わりません。VFXプロジェクトの場合、連番ファイルなどでファイル数・容量ともに大きくなる傾向があるのでかなり深刻。連続稼働しているサーバー上で同期している場合にはあまり問題になりません。

肝心のカット表なのですが、これもある程度進化していて、チェックムービーを所定のフォルダにアップしてカット表にバージョン番号を入力しておけば、自動でサムネールと更新日を取得して表示、ブラウザ上でのプレビュームービーへのリンクも自動生成してくれるところまで行きました。

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自動集計されて担当者ごとの進捗や保有工数などが確認できます。これも日報形式で担当作業の消化率や作業完了推定日などを出す機能がテスト中。

基本的に作業者は作業ステータスとアップしたバージョンだけ記入(あるいはプルダウンから選択)すればいいだけにしてます。

カット表はプロジェクト開始時に手動でカット番号などの基本情報を入れる必要がありますが、その後カット番号に応じてプロジェクトのフォルダ階層を自動で作成してくれるようにしました。ローカルでシェルスクリプトとかPythonでやって同期したほうが処理速度は速いんですが、今はせっかくなのでGoogle DriveのAPIでやってます。やってみたかったんです、ハイ。

現在、プロジェクト数にして7つカット数にして1200カット分くらいがこれで同時に処理されています。プロジェクトによっては15カット〜300カットまで開きありますが、個人的には100カットくらいのミュージックビデオとかVPみたいなのが相性いい感じです。

映画など莫大なカット数になるとスプレッドシート以外の表示形式も考えないといけない感じがします。スプレッドシートなのでカット数が多くなるとフィルタを用意して自分担当だけのカットを表示したり、「チェック待ち」ステータスだけを表示したりさせてます。

以前Google Siteにも情報同期して併用していたのですが、使い勝手が悪いので今はスプレッドシートで完結させています。サイドバーに情報を整理して表示するという計画あり。

あとGoogle スプレッドシートの機能でデータ探索というのがあって、これスプレッドシートの情報から様々な統計データを視覚化してくれるというもの。時々表示させると思わぬ発見があったりします。

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まだちょっとこの話題続くかも。



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Google AppsをVFXのプロジェクト管理に使ってみようかと思う