Smoke 2015について (NAB2014より)

April 11, 2014
smoke2015.jpg
NAB2014で発表されたSmoke2015ですがライセンス形態が大きく変わってユーザーは大混乱(?)...とりあえず現状わかってることをまとめてみました。

この件に関しては以下のサイトの内容から、私自身の推測など含めて書いています。正確でない部分も含まれていることにご注意ください。

AREA - Smoke 2015
http://area.autodesk.com/smoke

Autodesk Smoke 2015 Questions and answers
http://area.autodesk.com/userdata/products/smoke_2015_faq_en.pdf(PDF)

AREA Forum - Smoke: General Discussion: Smoke 2015
http://forums.autodesk.com/t5/General-Discussion/Smoke-2015/td-p/4940456

Premiumbeat.com - Autodesk Smoke 2015 and Flame Assist on Mac - What does it really mean?
http://www.premiumbeat.com/blog/autodesk-smoke-2015-and-flame-assist-on-mac-what-does-it-really-mean/

cgchannel.com - Autodesk shakes up effects and finishing tools line-up
http://www.cgchannel.com/2014/04/autodesk-shakes-up-effects-and-finishing-tools-line-up/

Smoke 2015はサブスクリプションによるレンタル形式に
Adobe Creative Cloudのような一定期間のレンタル形式による販売形態に変わります。今後新規にSmokeを導入する場合は、Autodesk Desktop Subscriptionというサービスからの購入となります。国内での販売価格は以下の通りとなります。

オートデスク プレスリリースより
http://www.autodesk.com/temp/pdf/Smoke2015_final.pdf(PDF)

● Desktop Subscription: 32,000円 (1カ月、ベーシックサポート付きの場合)
● Desktop Subscription: 80,000円 (3カ月、ベーシックサポート付きの場合)
● Desktop Subscription: 255,000円 (1年、ベーシックサポート付きの場合)

従来のSmoke 2013ユーザーでサブスクリプション契約を締結されているユーザーは、Smoke 2015の永久ライセンスへのアップグレードが可能です。永久ライセンスは新規ユーザーには販売されません。

これによって今まで必要だったSmokeの新規導入費用(約50万円)は不要になりますが、年間の保守料(ベーシックサポート)は年間約15万円の値上げとなります。

Flame AssistとSmoke 2015
同時に発表されたFlame Premiumでは、これまでのLinux版のSmoke Advanced(Flame Timeline)に代わってMac版のFlame Assistが加わりました。これはSmoke 2015と同じ機能を持つものでFlameユーザー限定で、同じDesktop Subscriptionの契約によって提供されます。ただし、このFlame Assistと比較すると、Smoke 2015では使用できない機能があることがわかりました(これが混乱の原因)。

Premiumbeat.comでBrian Mulligan氏がSmoke 2015では使用できない機能をわかりやすくまとめてくれています。

  • Flameとのプロジェクト互換性がない。
  • Wire, Archive, Remote ConnectionによるFlameとの連携機能がない。Smoke同士は可能。
  • Burnによるリモートレンダリング使用不可。
  • ネットワークライセンスなし。
  • リモートのメディアトランスコード不可。
  • Sparks使用不可。

この中で「Flameとプロジェクトの互換性がない」「アーカイブできない」「Sparksが使えない」というあたりが肝です。

ちなみに既存のSmoke 2013のサブスクリプションユーザー向けに提供される永久ライセンス版ではこれらの制限がないそうで、実質Flame Assistと同等のものが提供されるようです。ただし、これが永久ライセンスとしては最終バージョンとなるため、今後のアップデートやバージョンアップ、サポートは全てDesktop Subscriptionとなります。

余談ですが、下の動画みるとTimelineFXからは確かにSparksは消えてるんですけど、CFXにはSparksノードありますね。Desktop Subscription版のSmokeじゃないのかもしれませんが...謎です。



...で、今後はどうなる?
既存Smoke 2013ユーザーは当面は今まで通りの機能を使うことができますが、Smoke 2015のアップデートやSmoke 2016以降(そんなものが出るなら...ですが)のアップグレードの選択肢はDesktop Subscriptionへの移行(Smoke 2013のサブスクリプションユーザー向けの優待価格があるみたいです)か、あるいはFlameのサブスクリプションユーザーの場合はFlame Assistへの無償クロスグレードが可能となるとのことですが、実質Flame買わないなら現状のSmokeの機能は大幅に制限されるということです。

それ以外の選択肢となると、他のソフトウェアへの移行ということになりますが、現実的に今Smokeを選択している人はFlameとの互換性を重視している人が多いと思います。最終的にFlameでフィニッシュするための準備としてSmokeを使用するというメリットは他に選択肢がありません。

一歩先行くToxikの場合
余談ですけど新機能の追加などの開発がストップして久しいToxikは今度フリーになって公開されるようです。

cgchannel.com - Autodesk to release Toxik and MatchMover for free http://www.cgchannel.com/2014/03/autodesk-to-release-toxik-and-matchmover-for-free/

Toxikは2005年にそれまでのInfernoやFlameから設計を刷新し、BatchとActionだけに特化したコンポジティングツールでした。ショット単位での共同作業を行なうためにデータベースへの連携を行い、複数シート単位でのライセンス販売というのも注目されてましたが、早々に事実上のディスコン状態、その後Mayaなどにバンドルされてしまったりして、なんか突然現れてあっと言う間に消えていった感じのソフトでした。ビューポート上にbatchをオーバーレイさせてる画面見た時は、ちょっと興奮したんですけどね...

当時のfxguideの記事:
fxguide - Autodesk Announces Toxik
http://www.fxguide.com/featured/Autodesk_Announces_Toxik/

Smokeもこうなったら嫌だなぁと思いつつ、実は今回の件でFlameですらちょっと不安に思えてきました。AutodeskはCADの売り上げが非常に大きいらしいので旧discreet系製品自体が実はAutodeskにとって魅力のないものになってきてるのかも...



[関連記事]
Color Correction Handbook (2nd Edition)
Composite Pixel Expressions
Autodesk Smoke 2013 Pre-Release Trial(v2)