前回の記事「非リニア合成時の加算合成について(2)」というのを書きましたが、ふと、「After EffectsではAddMixってなんなのかピンとこない人もいるんじゃないか」と思ったのでAddMixについて書いておきます。
※前回紹介したAfter EffectsでのAddMixですが、記事のタイトルは非リニアとなっていますが、実際にはリニア合成でも使います。ただ非リニアで加算合成をうまくコントロールするのに有効な手法なのでその流れで説明したということです。
※前回紹介したAfter EffectsでのAddMixですが、記事のタイトルは非リニアとなっていますが、実際にはリニア合成でも使います。ただ非リニアで加算合成をうまくコントロールするのに有効な手法なのでその流れで説明したということです。
AddMixというのはNukeやShakeで使用される特殊な合成モードです。繰り返しになりますが、前回の記事を引用すると...
AddMixはShakeやNukeではおなじみのノードで、入力されたフォアグラウンドとバックグラウンドに対してフォアグラウンドのマットを、フォアグランドとバックグランドで個別のトーンカーブでコントロールして合成する手法です。
エッジの馴染みをかなり細かくコントロールできるので、エッジ部分に半透明な部分が多い煙や炎、フレア、またモーションブラーが激しいキーイング素材の馴染みなどなどいろんな局面で役にたつ便利なノードです。Shakeの頃は、これなしでどうすんの?ってくらいよく使いました。Nukeでは他にも強力なノードが増えたのでちょっと出番は減ったかもしれませんがよく使用します。
AddMixのUI
Nukeなどでは2つのカーブが交差した状態のインターフェースです。「非リニア合成時の加算合成について(2)」で作成したコンポジションでは、2つのカーブに分かれていますが、この2つのカーブが重なった状態です。
FlameやSmokeだとMatte Curvesというノードがこれに該当します。
AddMixの処理
AddMixに内部計算についてチャートにまとめてみました。上記引用部分と重なりますが、簡単に説明すると「フォアグランド」と「バックグラウンド」のフッテージに対して「フォアグラウンドのマスク」を乗算し、それらを加算で合成するというものです。この際に「フォアグラウンドのマスク」に対してトーンカーブを適用し、バックグラウンドにはトーンカーブで反転したマスクを乗算しています。AddMixチャート(クリックで拡大)
AddMixの2つのカーブが、グラフの対角線で交差している状態では、ノーマルモード(NukeではOver、FlameやSmokeではBlend)で合成した結果と同じになります(ただしNukeの場合はPremultipliedオプションがONになっていること)。
このチャートを踏まえつつ、先ほどのUIの今日の基本的なお約束をNukeのUIを例に(一番見栄えがいいから)説明してみます。
まずフォアグランド(右上がりのグラフ)の右端のポイント(1.0, 1.0)を下げると、フォアグランドの不透明度が下がり、下にある「バックグランドxマット(乗算)」の画像が浮かび上がってきます。
次にバックグラウンド(右下がりのグラフ)の右端のポイント(1.0, 0.0)を上に上げていくと、加算合成に近くなっていきます。1.0まで上げると加算合成と同じ結果になります。このグラフはマスクを反転する役目があるので、上のフォアグランドのグラフとは左右反転した状態になっています。
バックグランドの右端を1.0まで持ち上げ、フォアグラウンドの右端を0.0まで下げて2本のカーブが平行になるようにすると、バックグランドのみの画像となります。逆にすればフォアグランドのみとなります。
AddMixではノーマルモードの合成と加算モードの合成のバランスを調整しながら、合成が可能ということです。
ちょっと長くなったので一回区切ります。次回ではカーブを調整する具体例をやる予定。(続く)
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