AfterEffects用のOpenEXRプラグイン「ProEXR 1.6」がリリースされました。このバージョンで待望の「OpenEXRマルチチャンネルの出力」に対応しました。
fnordware - ProEXR
http://www.fnordware.com/ProEXR/
旧バージョンを購入しているユーザーは無料でアップデートできます。
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アップデートの詳細は
fnordware - blog
http://fnordware.blogspot.com/2011/10/proexr-16-released.html
マルチチャンネルのOpenEXR出力はレンダリングのOutput Module Settingで「ProEXR Layer Sequence」を選択することで可能になります。通常のOpenEXR Sequenceではないことに注意。
この機能があると、AfterEffectsで作業してからNukeなどにマルチチャンネルのOpenEXR経由で渡すことができるようになります。今まで複数のファイルに分けてレンダリングしてたものが一発で出るのはかなり便利かも。
(ちなみにこの機能はシリアルナンバーを入れないと15日で無効になってしまいます。それ以外は期限が切れても使えるのですが...95ドルなので買いましょうよ...円高だし)
その他の主なアップデートはOpenEXRのライブラリが更新されたこと、AfterEffectsに最適化され速度が40%近く高速になったこと、Memory Mapping機能の追加、Nukeでマルチチャンネルを自動で振り分けるためのスクリプトが付属したこと(ProEXR Comp CreatorのNuke版)などです。
Memory Mappingは圧縮状態のOpenEXRをメモリのバッファ内にそのまま読み込んでしまってからメモリ内で展開するというもの。ネットワークドライブなどからOpenEXRファイルを読み込んでいる場合には、圧縮状態のままローカルのメモリに読み込まれて伸長されるのでパフォーマンスが向上します。
Memory Mappingを有効にするにはAfterEffectsの環境設定ファイルをテキストエディタで開いて、設定を直接編集する必要があります。設定ファイル内の
["OpenEXR"]
"Memory Map" = "0"
"Store Machine Info" = "0"
"Store Personal Info" = "0"
"Memory Map" = "0"
"Store Machine Info" = "0"
"Store Personal Info" = "0"
この部分を以下の様に編集します。
["OpenEXR"]
"Memory Map" = "1"
"Store Machine Info" = "0"
"Store Personal Info" = "0"
編集はかならずAfterEffectsを終了させた状態で行なうこと。
まだインストールして少し試しただけですが、確かに以前のバージョンよりパフォーマンスは改善されています。しかしそれでもまだ遅い...大分マシになったのですが、これが4K以上になるとどうなるかわかりません。以前のバージョンでは、AEから応答がなくなってそのまま戻ってこなくなることもあったので、その辺の耐性がどうなのかも気になるところ。
Nukeのスクリプトはまだ試していませんが、先に書いたマルチチャンネルのOpenEXR出力に伴ってNukeとの連携を重視したいということなんでしょうか...Nukeのスクリプトは無料で、Nuke6.3以上に対応。Linuxユーザーでも使用できます。
ちなみに以前に本ブログで書いた「クロップ問題」は解決されていませんでした。このプラグインのおかげでAfterEffectsでのOpenEXR環境もかなり改善されてきたと思うんですが、時代はすでにDeepCompとかに行っちゃってるわけで、まだまだ改善、改良の余地はありますね。
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