AfterEffectsのプロキシについて Part.1

December 27, 2010
AfterEffectsのproxy(プロキシ)用のスクリプトを作成中なのですが、事前にAEのプロキシについて説明することにしました。なぜこのようなエントリを書き始めたかというと、結構周囲に「After Effectsでプロキシを使ったことがない」という人が多かったんです。中には「それなに?」って人もいましたし。 

実際に私もあまり積極的には使用していませんでしたので、偉そうにこういうエントリ書くのも気が退けますが。なにせAfterEffectsのプロキシはお世辞にも使い易いとは言えないのです。積極的に使用している人がそれほど多くないために現場でも目にする機会が少ないのではないかと思います。恐らく使い始める動機としては、大きなサイズのフッテージを扱う上で著しいパフォーマンス低下やメモリ不足に起因するエラーが起こって初めて使用するという感じなのではないでしょうか?

実際にAfterEffectsではプロキシをどうのように使い、どこが使いにくいのかを説明してみます。

まずはAEの公式ヘルプ。ここにプロキシの使用方法が書かれています。
After Effects CS5 ユーザーガイド プレースホルダーとプロキシ」(Adobe.com)

proxyとは本来のフッテージの代用になる表示用の画像を用意して、それを表示して作業を行なうためのものです。この機能はAfter Effects特有のものではなく、多くのコンポジット、編集ソフトに同様の機能があります。


1. どのような場合にこのプロキシが有効か
「大きなサイズ(2Kとか4Kなどの)のフッテージを用いるとき」
このような場合は、大きなフッテージを直接表示することで起こるパフォーマンスの低下やメモリの消費を抑える目的で使用されます。特に作業中のビューが100%以下である(50%など)の場合は効率的にプレビュー表示を行なうことができます。

「ファイルのデコード処理に多くのリソースを消費する場合」
上記の1もデータサイズが大きくなるという意味では同じことなのですが、例えばファイル内で圧縮がかかっているような場合で、かつ高速なRAIDで作業している場合には非圧縮のデータに置き換えた方がCPUの負荷を減らして快適に作業できる場合があります。

「プリレンダリングの代わり」
フッテージの代わりにコンポジションに用いることでプリレンダリングの代わりに用いることができます。特に変更や修正の可能性が大きいショットで元のコンポジションの状態のまま、表示だけをプリレンダリングにしたい場合など。

After Effects CS5 ユーザーガイドネスト化されたコンポジションをプリレンダリングする 」(Adobe.com)

この他にも、MayaやMaxなどの3DCGIを合成するときに、確認用のワイヤーフレームなどをプロキシに割り当てて位置確認などを行ないやすくする、本番用の素材が到着するまでテスト用素材をプロキシにしておき、本フッテージはプレイスフォルダにしておく...という使い方もあります。(例: 2Kフィルムスキャンを待つ間、チェック用のテレシネデータを入れておくとか、3DCGIのレンダリング待ちの間に低画質な設定のチェックムービーを入れておくとか...)



2. プロキシ設定手順
After Effectsでプロキシを使用するにはアイテムを選択し、マウス右クリックで「プロキシ設定」を実行します。プロキシが作成されていない場合には「プロキシ作成」から「静止画」または「ムービー」を選択し、レンダリングする必要があります。

aesetproxy.jpg

プロキシのレンダリングが終了すると自動的にアイテムにプロキシが設定されます。プロキシの設定されたアイテムは先頭に四角いアイコンが表示されます。このアイコンをクリックしてプロキシの使用/不使用を切り替えます。プロキシが設定されるとアイテム情報の隣にプロキシの情報が表示されるようになります。

aesetproxy2.jpg


ちなみに上記のようにアイテムから「プロキシ作成」を選択しなくても、レンダーキューの「出力モジュール設定」で「レンダリング後の処理」を「プロキシ設定」にすればレンダリング終了後に自動的にプロキシとして読み込まれます。

aesetproxy3.png

以上でプロキシの設定が完了です。1つのアイテムに限っていえばそれほど面倒でもなさそうですし、どこが使いにくいのかわからないかもしれません。


3.プロキシ使用時の注意点
上記の設定でプロキシが有効になりましたが、これを使用する上での注意点。
プロキシを用いるときに、低解像度のプロキシを用いている場合には、その分の画質低下はいうまでもありません。ビュースケールを50%とかにしていれば、一見同じように見えてしまいますが、実際のフッテージを使用して確認しないといけないことが多々あります。特にキーイングとか。
あとカラースペースの問題。OpenEXRとTGAなど異なるカラースペースを用いてしまうとトラブルを起こすことが多いです。色味、最終的なルックを考慮した作業を行なう場合には、オリジナルのフッテージを用いるか、プロキシのカラースペースを統一しておくようにします。

あとレンダリング時にプロキシを使用するか、しないかを設定する必要があります。例えばプリレンダリングで充分なクオリティを持ったプロキシを使用している場合には、プロキシをレンダリングに用いた方が時間的な節約になります。

aesetproxy4.jpg

ただ、プロキシの中に充分なクオリティを持たないものが混在しているときには、レンダリング結果の品質を下げてしまいます。一般的には最終レンダリングに反映できるようなプリレンダリングは、フッテージ(あるいはコンポジション)を置き換えてしまい、プロキシは最終レンダリングに反映させないのがよいかと思います。(Part.2に続く)


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