WindowsからQuickTimeをアンインストールしたら...

April 18, 2016
qtuninstallwindowsendoflife.jpg AppleがWindows版のQuickTimeのサポートを終了し、脆弱性が修正されないためにアンインストールを推奨というニュースが数日前に報じられましたけど、じゃあ実際にWindowsからQuickTimeをアンイントールするとどうなるのか検証してみました。
After Effects
Adobeから公式に見解が表明されています。

Adobe Creative Cloud - QuickTime on Windows
https://blogs.adobe.com/creativecloud/quicktime-on-windows/

ちょっとニュアンスが違いますけど、日本語訳が以下で読めます。

Adobe Creative Station - QuickTime Windows版のサポート終了について
https://blogs.adobe.com/creativestation/video-apple-ends-support-for-quicktime-windows

で、実際にQuickTimeなしで起動するとどうなるかといえば、ご存知のとおり起動直後にアラートが出て、QuickTime for Windowsのインストールが推奨されます。そのまま起動した場合、旧来のコーデーック(PhotoJPEG, MotionJPEGなど)はQuickTimeをインストールしなくても利用可能です。

ProResフォーマットは使用できません。読み込むと音声トラックは利用できますが、映像が出ず真っ黒になります。ProResが使えないという面以外ではアプリケーションは問題なく使用できます。


NUKE STUDIO / NUKE
予想外にダメな結果になったNUKE STUDIO。「QuickTimeのインストールが判定できないためにQuickTimeが扱えません。」というアラートが出てOKボタン押すと終了しちゃいます。起動すらできません。

nukewindowsquicktimeuninstall.jpg
ただ、NUKEのLinux版に関しては独自にQuickTimeをサポートしており、ProResの読み込み・書き出しにも対応しているので、次のアップデートで修正されるんじゃないでしょうか。そういう意味で私はProRes対応も含めて楽観的に考えていますが、下記のDaVinci Resolveの例もあるのでなんとも...


Fusion / DaVinci Resolve
FusionはQuickTimeがなくても何事もなく起動します。ただしQuickTimeのフォーマットは、コーデックのよらず全て開けなくなります。

DaVinci Resolveはアラートが出ますが、起動します。Fusionと同じくQuickTimeのフォーマットは、コーデックのよらず全て開けなくなります。

DaVinci ResolveもNUKEと同じくLinux版はProResに独自対応していますが、現状有償のSTUDIO版もWindows版だけはProResに非対応なので将来的にProResが対応するのかは、望み薄いかと。




CGの人は、これからは別のフォーマットで...という話が出たりしてますけど、エディタ、コンポジター、カラリストはQuickTimeなしではどうにもなりません。AlexaのLogCフォーマットでデータ受け渡しとなった場合、ProRes4444は必須です。

DPXなんかである程度代用はできますけど、正直「Windowsだけが困ってる」という状況でProRes(QuickTime)を捨てるかといえば、もうそういう時代でもないように思います。Linux版のFlameやScratch, Nukeなんかは普通に対応していますし。かつては「Windowsに対応してないソフトはダメ」くらいの状況だったのですが、それゆえ現在のWindowsがぼっちになってしまったという感じもします。

私は現状はOSXですけど、同じマシンでWindowsとLinuxで切り替えて作業してたことありますが、レンダリング速度よりWindows版のGUIのレスポンスが悪くて結構ストレスだったので、私が今後PCで使うならLinux版かなと思います。

とはいえ、業務で使用するマシンであれば、ネット閲覧などはある程度制限してできる限りQuickTimeを使用するというのも一つの選択肢ですし、私はおそらくそうします。趣味やハイアマチュアのユーザーは、それこそなんでも都合の良い代替フォーマットを自由に使用すればいいと思います。