J-MIX 2011に行ってきました。

August 29, 2011
先週の金曜日、O田さんからのご招待いただいてレスパスビジョンで開催されたオープンハウスイベント「J-MIX 2011」に行って来ました。

レスパスビジョン株式会社
http://www.lespace.co.jp/

SONY PMW-F3、ARRI ALEXA、RED ONE (MXセンサー)が一同に会し、かつAutodesk Flame Premium/Lustre、Nucoda FilmMaster、Quantel iQ Pablo、Blackmagic Design DaVinci Resolveがその場で一斉にカラコレ/グレーディングのデモを披露するという弱肉強食イベントです。

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EPICが参戦していないのがちょっと残念でしたが、画質的にはARRIが頭一つ抜け出てる感じ。これは記録データのスペック上でもARRIは優秀なのですが、やっぱりフィルムカメラを製造したいたのは3つのカメラメーカーの中ではARRIだけなので、その辺の経験の差も大きいかと思います。

Red Oneは仕様実績も多いためにある程度見慣れているのですが、Sony F3はまだ登場して間もないこともあり、私も色々疑問もあったので実機のところで結構長く説明を受けて来ました。XDCAMに収録しないで出力をそのまま非圧縮で出せばノイズも少なく画質的にもかなり期待できそうでしたし、Rec.709に変換しなければレンジも広く、コンポジッタ的にもかなりいい感じです。問題はまだRGB 4:4:4などで収録する方法が限られていること(Gemini 4:4:4対応する?)。価格的にもとってもお安いので(っていうかレンズだけでも元とれそうな感じ)、これから結構普及するとは思うのですが、S-Logオプションは必須かなと思います。


で、カラーグレーディングシステムの方ですが、今回招待してくれたO田さんが「Film Master」の担当でしたので一番詳しく説明受けてきました。Film Masterはあまり知名度もなく日本では導入しているところも少ないのですが、実際に色々「あれできる?これできる?」と訊いてみるとかなりいいシステムのようです。Red は勿論ARRI Rawにも対応、グレイン除去もかなり優秀で煙や髪の毛のようなディテールを保持したまま綺麗にグレインだけ除去してくれます。撮影後ポスプロ作業前にこれらの処理をかけてからデータを吐き出し、ポスプロの作業をしてから再度Film Masterに持ち込んでフィニッシュというワークフローを推奨していました。その他プラグインはOFXプラグインが使用できるとのことで、NukeやFusionで使用できるプラグインがそのまま利用できることもかなりの利点です。強いて欠点を言えば現状32bit版のみで64bit化は今後のバージョンアップで対応とのこと。

Image Systems - Nucoda Film Master
http://www.imagesystems.tv/media-bu/products/nucoda.aspx


あとQuantel iQ Pabloは個人的に興味があって、これもちょっと長めに説明を受けてきました。やっぱQuantelの安心感みたいなものがありますね。Film Masterで訊いたことと同じ内容の質問を投げてみましたが、一長一短といった感じではありました。ただPabloは同一システム上でコンポジットもできるというオールインワンなシステムです。Film Masterがテレシネとカラーグレーディング、フィルム修復に特化しているのに対してPabloはポスプロ作業に幅広く対応、まぁiQですから当たり前ですけど。レンスポンスのよさはさすがと行った感じで、グレーディング作業もコンポジットツールとの連携でかなり柔軟に対応できるようです。

Quantel - Pablo Grading and Finishing
http://www.quantel.com/page.php?u=5f855b42334dfa55ce0fdafa6c9dc127


AutodeskLustreは普段結構見慣れてますので後ろで他の人が説明受けてるのを聞いてるだけでしたが、Flameによるコンポジット、Flareによる分業体制、Smokeとの連携考えると凶悪ですね。ファイルフォーマットへの対応もさすがです。

ファイルフォーマットと言えば、Film MasterもPabloも4Kまでの対応です。今後EPICの5KとかARRISCANの6Kとか考えるともう少しノビシロはあったほうがいいかなと思います。あとDPX12bitへの対応とかOpenEXRとか...欲を言えばきりがないのですが。

ARRISCANも実機が稼働中のところを見れましたが、ARRISCAN本体よりブースのガラスに貼られていた偏光フィルムに興味が...偏光フィルムで作業中の画面が見えないようになっていたのですが、それなら作業デスクの向きを逆にするなりモニターだけ見えないレイアウトにすればいいじゃないか...とか。

ともあれ、非常に有意義なイベントでした。招待してくれたO田さん、当日説明してくれたスタッフの皆様ありがとうございました。次回も楽しみにしています。いや、ヒイキなしでFilm Masterはいいシステムですよ。他のシステムに比べてブランドの知名度がないのですが、非常に堅実なグレーディングシステムです。

関係ないけどLight Ironも同じ日にオープンハウスイベントやってたみたいですね。