ライセンスサーバーの仮想化

November 3, 2010
フローティングライセンスであればクライアントマシンでのライセンス管理からは解放され、クライアントマシンの破損や入れ替え時の負担を軽減してくれますが、これがクラッシュしたらを考えるとちょっと恐ろしくなります。当然ハードディスクはバックアップしたりと対策をとりわけですが、それでもライセンスが割当られている特定のハードウェア(主にネットワークコントローラのMACアドレス)が壊れればそれまでです。しかもNICって壊れるときは呆気なく壊れますから...
で、そんな悩みを解決するために1ヶ月ほど前にライセンスサーバーを仮想サーバーにしてみました。
なんで仮想化にすれば解決するのか...という細かい説明は省きますが、ここで重要になるのがMACアドレスを任意で設定できるかどうか...です。私がこれまで使用していたVMware Fusionが、バージョン3でMACアドレスをGUIから簡単に設定できるようになったので、今回の仮想化に踏み切りました。

仮想化したのはWindowsXPで、これをMac mini上のVMware Fusionで動かしています。ライセンスサーバーはそれほどマシンに負荷もかけないので、このような構成になりました。とにかく壊れたときにすぐ復旧できるように他のマシンで使用する仮想化ソフトもすべて同じVMware Fusionに統一。仮想マシンの設定はファイルとして保存されるので、そのファイルをバックアップしておけば他のVMware Fusionですぐに仮想マシン(ライセンスサーバー)を再現できます。

MacにはVMware Fusion以外にもMacでは「ParallelsDesktop」や「Virtual Box」などがあって、かなり製品間の競争が激しく、低価格化が進んでいます。VMwareとParallels Desktopは1万以下で購入できちゃったりするので、「こんなに安くて大丈夫か?」と心配になるくらい。Virtual Boxは一部機能が制限されているもののGPL版もあるので、実質コストゼロで導入が可能です。

個人的な印象としてはParallels Desktopはどちらかというとゲームやマルチメディア系への対応に注力していて、製品名の示す通り通常のWindowsデスクトップ環境を快適に使えることが売りっぽい。対してVirtual Boxは元々Sunで開発されてOracleが引き継いだために、サーバー用途に適してるような気がする... VMwareは...よくわからん(VMwareだしっていう安心感が売り?) ※あくまで印象です。

VMWare Fusion (日本語サイト)

Parallels Desktop (日本語サイト)

Virtual Box (Oracle)
Virtual Boxは個人使用や評価目的なら無料となっていますが、今回の使用方法でそれは適用にならないですね。

Virtual Box (Open Source)
機能制限あり。RDC使えないのでライセンスサーバーには向かなさそう。

うちでは圧倒的にMacOSXが多いんですが、MacOSXはライセンス契約上仮想サーバーへのインストールが許可されていないのと、「Macで動いてWindowsで動かないライセンスサーバーがない」という理由でWindowsになりました。

ライセンスサーバー自体はごく簡単に設定可能で、関連する実行ファイルをWindowsのファイアウォールに登録するだけで動きました。ただ、Windowsのマシン名はMac側から解決できないようでしたので、ライセンスサーバーを固定IPにしてIPアドレスで指定してます(WINSサーバー立ててMacでWINSサーバー設定すればWindowsのネーム解決も可能)。

あとは、先にも書いた通り仮想マシンの設定を丸ごとバックアップしていれば問題はないのですが、仮想マシンのファイルとはいえ、要はWindowsマシンが丸ごと1台なのでそれなりに容量は食います。マシン設定の履歴をどれだけ残すかによっても違いますが、あっという間に数10ギガバイトの容量が必要になりますのでご注意を。


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